子供とスマホ ~スマホの正しい知識から考えるスマホ利用ルールやトラブル対策(予防・回避)~

スマホに関する正しい知識を持ち適切な対策を

前回、「子供とスマホ ~スマホの特性やメリット・デメリット(リスク)を整理~」を書きました。

私たち家庭では子供にスマホを持たせることは賛成派なのですが、子供にスマホを正しくを利用(活用)してもらうためには、親自身がスマホに関する正しい知識を知っておく必要があります。

正しい知識というのはスマホの特性であったり、メリットやデメリット(リスク)などです。

前回で整理したようなスマホの正しい知識を踏まえた上で、各家庭でのスマホの利用ルールを取り決めたり、必要に応じた対策(予防策)を行うと、子供にとっても家庭にとってもより良いスマホの選択・活用方法を見つけることができます。

親が子供にスマホを持たせる理由、子供がスマホを持ちたい理由とメリット・デメリット(リスク)を照らし合わせて考えてみる

親が子供にスマホを持たせる(持たせたい)理由

「子供にスマホを持たせた理由」の調査結果では、

  • 防犯用(GPS機能による位置特定)
  • 習い事や部活の送迎の連絡用

が、全体の8割を占めています。

ただし、もしこれだけが理由であれば、「子供とスマホ ~スマホの特性やメリット・デメリット(リスク)を整理~」にて記載したとおり、「ガラケー」にもGPS機能付きのものはありますので、防犯用・連絡用が主目的であれば、携帯の選択肢としては「スマホ」ではなく「ガラケー」にした方がデメリット(リスク)も減り、メリットも増えます。

子供がスマホを持ちたい理由

「子供のスマホの利用内容」の調査結果では、

  • LINEやtwitterなどのSNSアプリの利用(友達とのやりとり)
  • 音楽やゲーム
  • インターネット(動画サイト)の閲覧

が主な利用用途(実態)となっており、また、この調査結果は基本的に子供が「スマホを持ちたい理由」と一致しております。

そして、特に子供がスマホを持ちたい(使いたい)理由の1つとしては、「LINE」を使って友達と(学校以外の離れた場所でもリアルタイムで)やりとりをしたいからではないでしょうか。
(子供によっては、本当にしたいというよりは、仲間外れになるのが嫌なのでLINEをやる必要があるという子もいるのではないでしょうか。)

ただし、もし子供が「LINE」を使いたいだけなのであれば、子供用にスマホを買わなくても「LINE」を使うための選択肢(方法)はあります。

例えば、以下のような選択肢があります。

  • (一番シンプルですが)親が持っているスマホにてLINEを使っていないのであれば、そのスマホにLINEを設定して、使う時間などを決めて子供に渡す。(そして、子供と一緒に決めた利用ルールを守れるようであれば、子供にスマホを買ってあげるなど。)
  • 家にWifiなどの無線に繋がっているタブレット(iPadやNexusなど)がある場合、実はFacebookのアカンウト(ID/パスワード)があれば、そのタブレットにLINEをインストールして使うことができる。

上記方法(子供にスマホを買わずにLINEを使わせる方法)は(親側にとって)いくつかメリットがあります。

  • スマホ(LINE)の利用ルールを守れるか、お試し期間として見極めることができる。(守れなければ没収。正確には親のスマホを貸さない)
  • 別途、子供のスマホの月々の利用料金が掛からない。
  • (子供にスマホを買い与えた場合に比べると)危険が起こった場合に、気づける可能性がある。

【子供と話し合った結果】、もし上記の選択肢が取れそうなのであれば、(最終的にはいつか買ってあげる、もしくは自分でお金を稼いで買うとしても)まずは試しにやってみるのは良いかもしれません。

なお、前回述べたとおり、タブレットなどのパソコンでもスマホと同じ問題が発生する場合はありますが、スマホはパソコン以上にパーソナリティの特性(他の人に見せない・見えにくい・見られない)が強く、気軽に扱えてしまうため、パソコン以上に問題が発生する可能性が高くなると考えています。

スマホを持たせることで発生するトラブル(リスク)の予防・回避

スマホを利用する場合、当人(子供)が意図してトラブルに巻き込まれるケースと、意図せずに巻き込まれるケースがあると思います。

そのため、それぞのケースに応じた対策やルールを行い、未然に防げる・回避できるトラブルへの対応を行いましょう。

スマホの意図していない利用によるトラブル(リスク)への予防・回避策

セキュリティ対策(ウィルス対策ソフト)のインストール

以下、調査結果があるとおり、スマホにセキュリティ対策(ウィルス対策ソフト)を入れずに使用しているケースが半数を占めています。

「子供とスマホ ~スマホの特性やメリット・デメリット(リスク)を整理~」にて、スマホはパソコンと同じと述べまたとおり、スマホもウィルスに感染します。そして、スマホには個人情報を含む重要な情報(データ)が多数ありますので、スマホがウィルスに感染すると個人情報が流出したり、遠隔でそのスマホを操作して悪用されたりするケースがあります。
セキュリティ対策(ウィルス対策ソフト)を入れたからといって全てを防げる訳ではないですが、丸裸の状態のスマホに比べるとウィルス感染のリスクはグっと減るため、セキュリティ対策(ウィルス対策ソフト)はインストールしましょう。

約50%の保護者が、子どもたちに手渡すスマホにウイルス対策やフィルタリングなどを施していないことがわかりました。国民生活センターの情報によると、保護者が気づかぬうちに子どもが課金サービスやクレジット決済を利用する事例も増えており※3、早急に安全対策を取る必要があると言えます。

引用:カスペルスキ

OSの更新(最新化)
今の日本のスマホには大きく2種類のOSに分けられます。
iPhoneを代表とする「iOS」と、その他GalaxyやExperiaなどの「Android」がOSと言われるものです。
(OS自体の説明は割愛します。)

このOSは常にバージョンアップしています。

スマホのOSのバージョンが古い場合、スマホの脆弱性(セキュリティーホール=セキュリティの抜け穴)を狙われて、スマホを悪意を持った第三者に悪用される可能性があります。

そのため、自分のスマホのOSは基本、最新のバージョンにアップ(更新)をしましょう。

なお、機種にもよりますが、自動的には最新バージョンにアップしないため、自分で都度、更新を行う必要があります。

スマホ本体のパスワード設定
主にスマホ紛失時の対策となりますが、中身を見られて不正なことに利用されないようにパスワードを掛けておきましょう。
スマホ本体の暗号化設定
また、こちらも主にスマホ紛失時の対応ですが、実は標準のパスワードでのロックだけでは、専門の業者などによって中身を抜き取って見られる場合があります。その場合の対策として「暗号化」という手法があります。Android系のスマホでは標準の機能として搭載されていることが多いですので、具体的な操作方法はインターネットで検索して頂くか、ご購入の携帯ショップに伺えば教えてくれます。

スマホの意図した利用によるトラブル(リスク)への予防・回避策

GooglePlayやAppStoreのパスワードを子供に教えない(子供に自由にアプリをダウンロード・インストールさせない)

「子供とスマホ ~スマホの特性やメリット・デメリット(リスク)を整理~」にて記載したとおり、(ガラケーと違い)スマホの一番の魅力(メリット)は、様々なアプリと言われるソフトをダウンロード・インストールして使用することです。

※アプリ:スケジュール・タスク管理や、地図・カーナビ、LINEなどのSNS、家計簿、フリマ、ダイエットなど様々

しかし、これらのアプリの中には便利なものが多数ある反面、デメリットとして以下のようなケースに出くわすことがあります。

  • ウィルスが仕込まれた悪意のあるアプリをスマホに入れた場合、個人情報の流出や遠隔でのスマホ操作などが発生する。
  • ゲーム(アプリ)をスマホを入れた場合、ゲームによっては課金(追加でお金を支払うこと)が発生するゲームもある。

しかし、アプリをスマホにダウンロードするためには、GooglePalyやAppStoreといったアプリをダウンロードするための専用の場所(インターネット上)に行って、GooglePlayやAppStoreの専用のパスワードを入力する必要があります。

※GooglePlayやAppStoreで入力するパスワードは、スマホ本体をロックするためのパスワードとは別モノです。

そのため、このパスワードは保護者側で保管・管理しておき、子供から「○○のアプリを使いたい」と言われた時に、そのアプリが問題無いか調べた後、代わりにアプリをダウンロードしてあげるというのも1つの手です。

有害なWEBサイトへのアクセス制限をする

有害なWEBサイトへのアクセスを制限することは、トラブルを予防・回避するために有効な手段の1つです。

子供と口頭で約束をしていたとしても、子供自身、何を持って有害と判断するか難しいですし、色々なWEBサイトを見ているうちに、気づいたら有害なサイトに辿りついてしまっていたなんてこともあります。

そこで、そもそもとしてスマホ自体に有害サイトへのアクセスを禁止する設定をしておくことが大切です。

この有害サイトへのアクセス制限にはやり方が2種類あります。

  1. 各携帯会社(docomo,au,sofotbank)が標準で用意しているオプションに申込む。(各携帯会社の店舗にて依頼して設定)
  2. 有害サイトへのアクセスを禁止する専用のアプリをインストールする。(GoogleStore/AppStoreからダウンロードして自分で設定)

ただし、1つ目の方法に関しては、自宅の無線(wifi)では制限が掛からないケースもあるようなので、上記2種類を設定した方が良いかもしれません。

利用時間の制限をする

子供と利用時間のルールを決めたとしても、「あとちょっと」となったり、夜中に利用してしまうなんてケースもあるかもしれません。

そういった場合、スマホの利用時間を制限する専用のアプリがありますので、そちらをダウンロード・インストール&設定を行うことで、自動的に制限を掛ける方法もあります。

最終的には、スマホを買う場合に子供としっかり話し合い、定期的にアプローチすることが大切

上記で述べた各種予防・回避策は100%完璧なものではありません。

やはり、子供と一緒にルールを決めて、それを守りながらスマホを活用することに越したことはありません。

  • 利用時間や時間帯は決められた範囲にする(それ以外の時間は随時相談)
  • 新しいアプリを入れる場合は必ず相談する(なぜか=デメリット・リスクを説明)
  • WEBサイトを見る場合は有害なサイトは見ない(なぜか=デメリット・リスクを説明)
  • インターネットを通して知り合った人に(勝手に)会いにいかない(会う理由がある場合は相談)
  • 公共の場でのスマホの利用ルールを守る(周りに迷惑を掛ける使い方をしない)
  • 相手とのやりとりにメールやアプリばかりを使わず、対面での会話も大切にする
  • など

ちなみにですが、以下の内閣府が公表した調査結果を見ると、スマホの利用ルールを設けている家庭は67%とのことです。

62%の家庭がスマホを利用するときのルールを定めていることがわかりました。本年2月に内閣府が発表した「平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査結果」※2によると、満10歳から満17歳までの青少年の家庭でルールを定めているのは67%という結果が出ています。このデータと比較しても、子どもの年齢に関わらず、親は子どもにスマホを利用させるときには、何らかのルールを設ける必要性を認識していることがわかります。

引用:カスペルスキー

スマホは包丁と同じく、使い方を誤ると危険な一面を持つ一方で、正しく活用できれば、利用者本人の生活を便利にしてくれます。

ただ、間違いや失敗はすることはあるかもしれませんが、それ自体は悪いことではないと思います。

問題が発生した時に、子供が素直に話せる環境を親が作ってあげたり、何かあった時に親が気づけるように定期的に確認を行ったりして、親自身も子供と一緒に考えて、少しずつ各家庭に合ったスマホとの良い向き合い方(活用方法)を作り上げていくことが大切かと思います。

子供と一緒に「スマホを持つ理由」や「持った場合の利用ルール」を考えて決めて、そして子供と一緒に「決めたルールが守れているか」「何かスマホに関するトラブルが起こっていないか」などの購入後の定期的な話し合い(確認)をしっかりと行いましょう。


なお、子供が小さいころは総合的な判断は難しいと思いますので、保護者の方でしっかりとスマホの特性やメリット・デメリットを抑えて総合的に判断して決めましょう。

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スマホの特性やメリット・デメリット(リスク)を整理

プロフィール(当メディアの運営者 兼 筆者)

保育園協会の園長から「ITで保育業界を変えたい」と相談を受け、保育士と協力し合い、保育以外の業務を自動化し、保育士が保育に専念できる環境を創り上げる。

そして、保育の現場で子ども達の個性=無限の可能性を育む環境に関る中で、大人社会でも同様のことはできないかと考え始めたところ、「こどもも大人も凸凹(違い)を認め合える社会」の実現を目指すNPO法人オトナノセナカに出会い参画する。

現在はNPO活動と並行して、フリーランスエンジニアとして自分が得意とする「IT」x「教育」x「子育て」の分野を中心に活動を開始する。様々な人がお互いを認めて高め合い、創造性が渦巻く楽しい世界を目指して。

プログラミングレッスン・教室、IT研修・教育、ITコンサル・マーケティング、IT(技術)相談・支援、システム開発(WEB・スマホ)、保育園IT化、子ども・子育て関連事業など