プログラミング教育必修化に向けた官民の動き 〜その1:民間企業編〜

小学校でのプログラミング教育の目的

政府は2020年頃から小学校でプログラミングが必修化するという方針を決めました。

ただし、小学生が全員プログラマーを目指すということが目的ではありません。

国の方針としてはプログラミング教育の目的はプログラミング的思考を身に付けることにあります。
物事を順序立てて指示する論理的思考力や、アイデアを具体的に形にする創造力を養うことです。
プログラミング的思考
引用-WBS(2016/06/27)

しかし、現状では必修化に対する課題が多くあげられます。

子供向けプログラミング教育 ~イベントや教室が盛んに~

5歳以上を対象としたプログラミングイベント

めざせ!ちびっこプログラマーというプログラミング体験イベント等、5歳以上の子供を集めたプログラミングイベントが様々所で行われています。
イベントではiPadを使いプログラミングを体験します。
動作を指示する上下左右の矢印などのアイコンを並べることでキャラクターを動かすことができます。
スクラッチ
引用-WBS(2016/06/27)

小学校でのプログラミング教育に向けた課題

子供向けのプログラミングイベントがにぎわう一方で小学校でのプログラミング必修化に向けては沢山の課題があります。
例えばプログラミング教育のカリキュラムが不足していることや、誰がどのように教えるのかといった人材の問題、そしてプログラミングをするために必要な機材等が考えられます。
民間の企業ではプログラミング教育の人材の育成を行っているところも出てきました。

CAテックキッズ~未経験の主婦が先生に~

自宅でプログラミング教室を開く主婦が登場しています。
サイバーエージェントグループのCAテックキッズではプログラミング未経験者の主婦が研修を受けてプログラミング講師になります。
自宅で教室を開き、近所の子供たちにプログラミングを教えます。
週1回1時間の授業で月謝は8,000円です。

CAテックキッズの講師は全員プログラミング未経験者の主婦です。
今後も小学校等でプログラミングを教えることができる指導者が不足すると考えられ、研修を受けた主婦が開く教室を全国に広める考えだといいます。
また、教える側の不足を解消するために講師が小学校に行って授業をしたり、小学校の先生に向けて教室を開いたりするなども考えているということです。

音楽の時間がプログラミングの時間に

ヤマハのボーカロイドというソフトを使って音楽の時間に作曲をしている小学校があります。
授業で使われるのは大人向けに開発したソフトを子供向けに改良したものです。
ボーカロイド
引用-WBS(2016/06/27)
音楽にあまり興味を持たなかった子供でも、ボーカロイドを使った音楽の授業は楽しいという子もいます。
子供たちはボーカロイドを使い、音の長さや区切りを代えながらメロディを作っていきます。
実際に触って音を聞き、試行錯誤しながら自分のイメージした音を作り出していくという作曲という作業が、プログラミング的思考力を養うとボーカロイドの開発元のヤマハは考えています。

大人向けプログラミング教育 〜短期間でエンジニアにをキャッチコピーに〜

子供向けのプログラミング教育とは異なりますが、大人向けについても一部紹介です。

ITスクールテックアカデミーでは「あなたを8週間でエンジニアに変える」をキャッチコピーにオンラインブートキャンプを行っています。
プログラミングの経験が全くない人でもプログラミングができるようになると言います。

プログラミングとはパソコンの画面には並ぶコンピューター言語が使ってコンピューターに指示をだし、CG画像を作ったりそれを動かしたりすることです。

テックアカデミーで行われている題材の一つにスマホ用のゲームを作ることがあります。
教材になっているのは壁の間をキャラクターが抜けながら進んでいくゲームで、プログラム内容としては、画面の右から壁を発生させることや、壁にぶつかったらゲームが終了すること等の命令を組み合わせています。
初心者向けの講座では、講師の指示に従いアルファベット変更し鳥のキャラクターを代えます。
正しくプログラムが書かれていないと壁をすり抜けたりキャラクターが動かなかったりします。
今回作ったゲームはスマホ上で起動することができ、自分が作ったゲームをスマホで動かして自分で遊ぶことができます。

プログラミング教育で養われること

プログラミングを学ぶことでクリエイティブな考え方が身に付くところにプログラミング教育の良さがあります。
プログラミングは指令や設定を積み上げていくことで一連の動きになります。
指令や設定を積み上げるためには、完成したものを想像し、それを一旦バラバラに分解し組み立てていくという、論理的な考え方が必要になります。
この考え方はプログラミングをするときだけではなく、様々な場面で役に立ちます
今後の新しい勉強の仕方になるかもしれません。


次は「行政編」ということで、「国や各自治体が取り組んでいるプログラミング教育の事例」を取り上げて紹介していきます。

引用-WBS(2016/06/27)

プログラミング教育必修化に向けた官民の動き 〜その2:行政編〜

プロフィール(当メディアの運営者 兼 筆者)

保育園協会の園長から「ITで保育業界を変えたい」と相談を受け、保育士と協力し合い、保育以外の業務を自動化し、保育士が保育に専念できる環境を創り上げる。

そして、保育の現場で子ども達の個性=無限の可能性を育む環境に関る中で、大人社会でも同様のことはできないかと考え始めたところ、「こどもも大人も凸凹(違い)を認め合える社会」の実現を目指すNPO法人オトナノセナカに出会い参画する。

現在はNPO活動と並行して、フリーランスエンジニアとして自分が得意とする「IT」x「教育」x「子育て」の分野を中心に活動を開始する。様々な人がお互いを認めて高め合い、創造性が渦巻く楽しい世界を目指して。

プログラミングレッスン・教室、IT研修・教育、ITコンサル・マーケティング、IT(技術)相談・支援、システム開発(WEB・スマホ)、保育園IT化、子ども・子育て関連事業など