待機児童問題解決に向けた民間企業の取り組み ~働きたい潜在保育士と看護師のママを発掘~

待機児童問題が社会問題になっています。
働きたいと思っても保育園に預けることができずに働くことを断念するママが多くいると言います。
その原因は保育園不足に保育士不足と言われていますが、解決方法はどこにあるのでしょうか。
働きたいママを救うために、保育園を運営しているハッピーマムがしている取り組みを紹介します。

国の基準と実際問題

国の保育士の配置基準は1人の保育士に付き、0歳児なら3人、1歳2歳児なら6人、3歳児なら20人、4歳5歳児は30人と定められています。
ただし、東京都では1歳児は保育士1人に付き5人と都の基準で定めています。
国は1歳児のこの基準を国が定めた基準と同じ6人まで増やすように要請しました。
また、小規模保育事業の基準は19人以下としていましたが、この基準を22人まで増やすよう検討しているということです。

1人の保育士が見ることができる子供の数が増えれば、確かに保育園の定員は増え、待機児童問題の解消に繋がるかもしれません。
ですが、実際の現場では、1歳2歳児を保育士1人で6人見るのはどうなのでしょうか。
例えばおむつを替えるとき、くずった子をあやすとき、どうしても1人の子供に対し1人の保育士が付きっ切りになります。
実際に働く保育士の感覚としては、1歳児は3~4人が限界なのではと言います。
国の基準に合わせると、保育士の負担が増えることは間違いありません。

保育士不足を解決するため取り組み

HybridMom㈱が運営する東京都認可・認証保育園ハッピーマムの取り組みを紹介します。
ここで働く保育士の中には別のクラスに子供を預けている保育士がいます。
資格を持っていても保育士の職に就いていない潜在保育士は約80万人と言われており、その中には保育園に入れないがために保育士の職を離れるしかない人がいます。
保育士だからと言って、認可園に入るためのポイントが加点される訳ではないところにも保育士不足の原因があるのです。
保育士として働いている方が子供を産んで仕事復帰するために子供を保育園に入れようと思ったら、保育士が不足しているから認可園に入ることができず、結果保育士が退職しさらに定員が減る……そんな本末転倒な悪循環が実際におきているのです。

ハッピーマムではそんな子供を預けることができず働けない潜在保育士を優遇する独自の制度があります。
子供がいる保育士は、就業する保育園で子供を預かることができ保育料は半額になります。
正社員として採用し、時短勤務も可能仕事と家庭を両立しやすいようにしました。

わざわざ子供を保育園へ預けに行く必要がなく子供と一緒に出勤できるため、利用しやすいと言います。
認可保育園は自治体が管理しており入園の申し込みは市区町村窓口になるため、上記のような融通は利きませんが、認証保育園は都独自の制度で保護者と保育園が直接契約するので、子供を同じ保育園に入園させて仕事をすることができます。
保育士が現場離れする原因として、子供を保育園に預けることができないという本末転倒な問題を解消する手立てになるのではないでしょうか。
認可保育園も保育士優先になることで保育士不足の問題を解消することができる一つになると思いますが、制度が追いついていないことが現状です。

保育園の救世主?!潜在看護師~保育士とみなせる附則~

国の児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の附則に以下のような文言があります。

 乳児四人以上を入所させる保育所に係る改正後の第三十三条第二項に規定する保育士の数の算定については、当分の間、当該保育所に勤務する保健師、看護師又は准看護師を、一人に限って、保育士とみなすことができる。

つまり、保健師看護師准看護師については、ば条件付きですが保育所に勤務していれ保育士とみなすことができるのです。
ハッピーマムはこの附則に目をつけ、保育園の人材募集を看護師専門の紹介会社に幅を広げました
看護師の中には結婚出産を機に職場を離れ、ブランクがあるから医療行為は怖いという方や、夜勤のある看護師では家族との時間が取れないため働いていないという方もいるそうです。
また、保育士と同様、復職するために保育園に子供を預けようと申し込んだけれど、入所不承諾通知が届き職場復帰をあきらめたという方もいます。

上記で紹介したような保育所に預けて働け時短制度も利用できるハッピーマムでの取り組みは、このような看護師の方にも需要があると言います。

このような取り組みが増え、復職する保育士が増えることが、待機児童問題を解決する一助になるのではないでしょうか。


引用-ガイアの夜明け(2016/5/3)
参考-東京都認可認証保育園 ハッピーマム

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プロフィール(当メディアの運営者 兼 筆者)

保育園協会の園長から「ITで保育業界を変えたい」と相談を受け、保育士と協力し合い、保育以外の業務を自動化し、保育士が保育に専念できる環境を創り上げる。

そして、保育の現場で子ども達の個性=無限の可能性を育む環境に関る中で、大人社会でも同様のことはできないかと考え始めたところ、「こどもも大人も凸凹(違い)を認め合える社会」の実現を目指すNPO法人オトナノセナカに出会い参画する。

現在はNPO活動と並行して、フリーランスエンジニアとして自分が得意とする「IT」x「教育」x「子育て」の分野を中心に活動を開始する。様々な人がお互いを認めて高め合い、創造性が渦巻く楽しい世界を目指して。

プログラミングレッスン・教室、IT研修・教育、ITコンサル・マーケティング、IT(技術)相談・支援、システム開発(WEB・スマホ)、保育園IT化、子ども・子育て関連事業など